佐野勝之様

『自作の特殊堆肥などで自然を守る』

小面積の農地を両親から受け継ぎ、多品目の農産物をできるだけ無農薬、無化学肥料で栽培したいと、取り組みを続けています。工夫のひとつとして、もみ殻を有用微生物で発酵分解させて土にすきこみ団粒構造を促進するなど、健康な農作物が生育する環境を整えるので害虫被害が少なくなっています。

また、鳴門ワカメの副産物で自作した堆肥「ワカメのちから」を使用すると発根作用が活発になる事から、連作の影響も受けにくくなり、現在化学肥料・農薬を使用しない栽培に取り組めています。

創意工夫をしながら自然に配慮した栽培を行うと、体に良い野菜になり、おいしい野菜になって価値も高まります。結果、生き物を大事に栽培した事になり、価格にも反映できればと“生物多様性活動認証”を取りました。これからは、消費者の方々に取り組みの趣旨が分かるような表記を生産物に入れてほしいと思っています。

今年、徳島県の特産物である鳴門金時、レンコン、ニンジンは高温障害で大変な状況でした。また徳島県の畑は狭く、県外の広面積の圃場と同じやり方では競争できないので、微生物などの力で圃場を発酵状態にして、おいしくて体を元気にする野菜を作り、生き物を守りながら生産された農作物であることを消費者の方々にアピールして行ければと思います。

コロナ対策も免疫を上げるのが一番。もう科学肥料や農薬漬けの野菜では生産者・消費者・生き物も共に限界を超えており、生き物と共生できる本物の野菜が求められていると思います。農家が一丸となって知恵を出し合い、良い作物づくり、ブランド化に取り組んでいく事で、私たちの未来が明るくなるのではないでしょうか。

生産者名:
佐野勝之

《栽培作物》3~5月:菜の花、春菊、ふき、島らっきょ 6~8月:いんげん、ごうや、つるむらさき、玉ねぎ 9~11月:ごうや、もろへいや、つるむらさき、パクチー 12~2月:菜の花、春菊、里芋、つぼみな、ケール、芽キャベツ 《自農地で見られる生き物》アマガエル、ミミズ、もぐら、もんしろちょう、ツチガエル 《守りたい生き物》カエル、テントウムシ