『自分が信じた農業の道を貫く』
親の代から無農薬で稲作栽培を行ってきました。マニュアル通りに栽培しても思ったようにうまく育つとはかぎりません。農作物を育てる土は同じではなく、連作障害もあり、去年と同じ土壌でもありません。葉物野菜などは一発勝負になり、安定した生産は、実際は限りなく難しいことです。そこで、土壌を分析して、その結果で同じ結果が出るようにします。その土地や天候なりの工夫や努力が必要です。
市役所の要請で「農事組合法人くしぶち」を結成し、他との差別化を図るために特別栽培で米を共同栽培しました。やがて、コープさんからその米を購入したいとの話があり、環境保全型で栽培すると価値が上がることをはっきりと認識しました。
生物多様性活動認証制度では本当に価値がある農産物が評価されるようになってほしい。消費者にとっての目印になるということですが、私は先行してブランドシールを作成して販売していました。10何年前から生物多様性のシールを作って販売してきたのです。
イチゴ栽培でも消毒や薬に頼りすぎてはいけないことを実感し、試行錯誤しながら、良い栽培方法を探索しつづけています。これからも太陽の光を浴びた健康野菜や米をどんどん栽培していきたいと思っています。
日本でも地域でも昔ながらの助け合いの精神が消えつつあります。生態系も壊してはいけませんが、人のネットワークも壊してはいけないということだと思います。信念を持って、これからも自分の信じる農業を貫いていくつもりです。