『蛍のためにも有機栽培を広げたい』
高齢化した父を手伝って農業を始めました。父の体調がすぐれなくなってからは、交代するように主人が就農してくれ、現在は二人で取り組んでいます。もともと有機栽培に興味があり、農業をするなら有機栽培をしようと決意していました。でも有機JASの認証を取るのは簡単なことではありません。その前段階として「生物多様性活動認証制度」に取り組みました。有機栽培で、主に米とコマツナを栽培していますが、これをベースに余裕が出てくれば他の品目も増やしたいと考えています。
農業用水から水を引いているのですが、夜中に水量を調整しなければならず、栽培品目を増やすには、水の問題を解決しなければなりません。コマツナは農薬を使わなくても40日くらいで収穫できます。お米も農薬や化学肥料は使わず栽培していますが、大変な手間がかかります。雑草取りやジャンボタニシの影響にも悩まされています。無農薬栽培の除草の技術が確立すれば、増産も可能だと思います。
農作物にとって良い土の環境は微生物が作ってくれます。微生物のためにも農薬は使いたくないと思っています。農地にいるカエルなども害虫を食べてくれます。近くには野鳥園があって、野鳥もよく飛んできます。アオサギがわたしたちの後ろを付いてくるのもかわいいですね。那賀川の水は本当に美しく、わが家の周辺でも用水や草むらに蛍のあかりを見ることができます。蛍が群舞するような環境を取り戻したいと願っています。
この水の素晴らしさの認知度を上げて、ブランド米を育てたい。自分だけではできませんが、グループならば実現できると思います。そのためにも、有機栽培の良さが知れわたって、仲間の輪が広がるといいなと思っています。