『太陽光パネルの下でよもぎをつくる』
耕作放棄地を有効活用した太陽光パネルの下を圃場として、約5ヘクタールの敷地で農薬・化学肥料を使わず、ブランドよもぎの『阿波みよし名産 祖谷の薬草 エメラルドよもぎ』の生産・加工を行っています。農福連携の一環で社会福祉法人三好やまなみ会ワークサポートやまなみ(東みよし町)の利用者と一緒に収穫・加工作業を行っております。
太陽光パネルの下で育てたよもぎは、直射日光が長時間当たらず柔らかくて質の良いよもぎが収穫できます。特に食用としての柔らかいよもぎは、一般的に春先の新芽を使用しますが、太陽光パネルの下では春から夏の終わりまで収穫することができます。
加工したよもぎペーストは、東みよし町にある『うどんと創作料理のくらふと』さんでよもぎうどん用や『箸蔵とことん』さんでは、よもぎパンに使用していただいております。また、乾燥よもぎとして、関西・関東の美容サロンで業務用として、三好市・東みよし町のふるさと納税返礼品として採用していただいております。
私は大阪の総合商社で20数年仕事をしていましたが、生産から流通まで行う仕事をしてみたいと農業への転身を決め、2021年に徳島へ完全移住して農業を始めました。野菜や果物はすでにブランド化されライバルが多いことから生産作物をよもぎに決め、ニッチな農産物として産業になると感じたからです。
現在、国内で流通しているよもぎのほとんどが外国産です。理由は国内の生産者が少なく収量が圧倒的に少ない事です。
よもぎを原料に使用する会社は中堅クラス1社でも年間30〜40トンのよもぎを必要とするので、国内の流通量では安定供給できません。
私は、管理圃場で徳島県産のよもぎの収量を増やし安定供給をすることで、国産の安全性や栄養価などを評価して手に取ってくれる人が増えることを願っています。そして、地域の産業としての成功例ができれば、同じようによもぎ生産をする人たちがこの地域で増えてくれればここが一大産地となりますし、新たな雇用が創出でき、移住者の誘致もでき地域貢献ができると考えております。