『メダカが群れ泳ぐ川、ミミズがすむ土のために』
両親は土建業を営んでいましたが、父親はよく畑仕事をしていました。自分も中学生頃から手伝いをするようになり、その頃から50年になります。小さい頃から、生き物や自然が好きでした。
昔は赤トンボがたくさん飛んでいましたが、今はハグロトンボが多いですね。川ではメダカがたくさん泳いでいました。今は、バッタ、シラサギが飛んでいます。またカエルが多く、アマガエル、ツチガエル、トノサマカエルなど、いろんな種類のカエルがいます。
生き物は害も及ぼします。カミキリムシによって3~4年かけて育てたミカンの木が枯れてしまいました。また、この辺りには、シカやイノシシが多く、農地への被害は甚大なものがあります。田んぼにイノシシが入ると米は、においがついて食べられなくなります。精米の際も、他のコメと混じらないように別に精米する必要が出てきます。牛舎の中にもシカが入ってきて、通路で牛のエサを食べてしまいます。真夏の暑い日に、近所のオクラ畑にシカが入ってきて寝ていたこともありました。
減農薬で農業をおこない、昔のように水路でメダカが群れ泳ぐような農業をしていきたいと願っています。 ミカン畑では草枯らしをせず、草刈り機で下草を刈り取るようにしていますが、時間が経てば緑肥としてミカンの栄養になります。除草剤は一切使わず、ミミズがすむ土づくりを行う農地を心がけています。
まだ勉強中ですが、生産したさまざまな農産物が一年を通して棚に並ぶようにしたいですね。 今、希少価値のある温州ミカン「くすもと」を栽培しています。和歌山県産品種で徳島に最初に入り多く作られていましたが、現在は作る人がいなくなり希少品種となりました。これを復活させて販売できるようにしたいと考え、5か所のミカン畑で栽培しているところです。