北野政美様

いのちを育む田んぼを守りたい』

小さい頃から米作りなどを手伝い、中学校を卒業してから約70年農業に携わってきました。以前は生育期間の長い米を育てていましたが、近くに早期栽培の先駆者がいて田植えから収穫までの期間が短く、収穫が早くなることで、残りの季節でミカンを作るようになりました。土地を分けてもらい、ブルドーザーで開いて、何日もかかって道を整備しました。現在は、ミカンの他にアスパラガスも栽培しています。

昔は水車が30余りあり、水田に水を入れるのに使っていました。水車の水は飲めるほどきれいで、季節にはホタルが飛び交っていました。この環境を守りたいと、できるだけ農薬を使わず栽培を進めてきました。平成7年に米の流通が自由化されると、他の産地との差別化を図るため、初めて有機米を栽培しました。

それから手間暇を惜しまず無農薬、無化学肥料で米作りを続け、「いのちを育むたんぼ米」などを栽培してきました。無農薬米が評価され、平成26年には献穀田に選ばれ新嘗祭に新米を献上いたしました。その前年に賞を取ったこともあり、献上米を仰せつかりましたが、より良い米をお出ししたいと、一粒一粒よりすぐって献上いたしました。

美しい自然環境を守るために「西原活性化協議会」を作り、水車を復元し、「西原の蛍祭」も開催してきました。それでも最近水質が変わってきたように思います。見たこともない藻も生えてきました。ですから最近特に自然を守る取り組みの大切さを感じています。消費者にも生産者にも環境問題に関心のある人は大勢いると思います。そうした人々の声が大きくなり、有機栽培が広がってほしいと願い続けています。

生産者名:
北野政美

《栽培作物》記載なし 《自農地で見られる生き物》記載なし 《守りたい生き物》記載なし