『循環型の時代の今、生物多様性は経済の根幹』
生物多様性活動認証を取得したのは、いくら環境に対して良いことをしていたとしても、自己満足になりたくなかったからです。ヨーロッパでは消費者が力を持っていますよね。NGOや第三者が「これは正しい」というようなことをしっかり認めてくれる。公平な目で取り組みを判断してもらう指標が必要だと思ったんです。
生物多様性は経済の基幹にあり大事なことなのに、ほとんどの人が関心をもっていない。大量生産、大量消費がもう無理になり、時代は循環型に舵を切っているのにいつまでも高度経済成長のときと同じでは環境に負荷を掛けている。このままだと取り返しがつかないことになりかねないと感じています。
「株主コミュニティ」という市民が企業を応援する仕組みを活用しています。支援する企業を決める「株主コミュニティ」では、生物多様性を大事に考えてくれるかを基準に選定しています。第一号は農業法人、次は林業になるかと思います。我々はそういう会社を見極める力がある企業と認証を取得していることで認識してもらえるのではないでしょうか。
金融業の本質は必要なところにお金を投入すること。人が生きていくために必要な農林水産業や伝統、文化にお金を投入しなければいけません。日本の消費者人口も減っていますが、それ以上に生産者人口が減っていることに気付かないと危険だと思います。
そして、個で農地や文化を守っていくのが難しいのであればコミュニティを復活させてみんなで守っていく、地域の力を結集する必要性を感じますね。
お金をただ増やすことばかり考えていても何にもなりません。僕は、1万円札よりおいしいお米を食べたい(笑)。そう思っています。
泊 健一【徳島合同証券株式会社】